日本では2014年の段階で中小企業は382万社が存在しています。また中小企業で雇用されている従業員数は約3,361万人といわれ、全雇用者数の内およそ70%を占めています。(2018年中小企業白書より)

またそれら中小企業の経営者の内約245万人が2025年には70歳を超えると予想されています。

しかし、そのうち半数が後継者が決まっていません。

このままでは廃業する中小企業は増え、多くの雇用が失われると考えられます。もちろん雇用だけでなくGDPも失われるでしょう。

「後継者がいない、事業の継続ができない…」

中小企業の後継者問題は、大きな問題となっています。

事業承継の方法

事業承継の方法には、大きく分けると2つあります。

一つは親族や従業員から後継者を見つける親族や企業内承継、もう一つはM&Aなどによる外部承継です。

親族や企業内での承継は、多くの方がイメージしやすいと思いますが、実際は「子供は別の仕事をしている」「人手不足で後継者となる若手がいない」といった理由で減少しています。

次に外部承継を検討してみましょう。

外部承継の場合、M&Aだけではなく事業分割や合併といった方法もあります。どういった方法が良いのかは、双方の事情にもよりますので一概には言えません。

ただ、いずれの場合もお互いの事業の評価をしっかりとし、win-winの結果を出せるようにしなければいけないでしょう。

M&Aは悪か?

M&Aは、ドラマなどの影響もあり、「乗っ取り」「敵対的買収」など良い印象を持たれていない方もいらっしゃいます。

しかし近年ではベンチャー企業が会社をバイアウトして資金調達し、更に事業を拡大させていくことも増えてきました。

また従業員なども資源としてそのまま引き継ぐケースも多く、「乗っ取り」といったマイナスなものではなく、友好的に行われることがほとんどです。

国の支援制度

近年の後継者不足を受け、国も様々な支援を行っています。

中小企業庁の「事業承継補助金」も、その一つです。また政策金融公庫でも事業承継関連の融資実績は増加しています。

こういった制度を活用しつつ、良い形で承継がされることを願っています。